平成2711月枯山水例会報告

 

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今回の例会は、中国語を得意とする西島さんが外国人に日本語を教えているとのことで、関西なまりの日本語をどのように外国人に教えるのか?という興味もあって彼に講師をお願いすることにした。

電子辞書を持参し、この中の「NHK日本語発音アクセント辞典」によって、単語の正しい発音・アクセントがボタン一つで音声が聞こえるという文明の利器を使いながらの講義で、また60年近く前に吉井先生に習った日本語の文法も久しぶりに思い出す興味ある講義であった。

参加者は、西島さんに加え、前田(和)、小谷、尾上、藤本、吉村の計6名。

 

講演の要旨は次のとおり。

 

西島さんは、2006年に横浜市戸塚区に在住する外国人に日本語を教えるボランティア団体に関心を持ち参加。基礎講義を十数回受けたのち2008年から実践に入った。それからは、常に「清く、正しく、美しい日本語の伝道師」を心がけて教育に携わっているとのこと。

それから今までの間に、中国、台湾、韓国、フィリッピン、インドからの受講者延べ10人を教えた。現在は中国人(女性)とスウエーデン人(男性)の二人を教えているが、リーマンショックや東日本大震災の影響で在留外国人が減ったこともあり需要が減っているという。

 

 受講生は、初級、中級ならびに「日本語能力試験(JLPT)」や「BJTビジネス日本語能力テスト」を受ける人が主体であるが、西島さんの受講生の中には運転免許学科試験のために日本語を勉強したいという人もいたという。

 

外国人向けの日本語文法は、我々が習った「学校文法」とは違っている。

例えば、「書かない」「書きます」といった形に使われる未然形、連用形など我々には懐かしい文法用語は外国人には無理なので、これにはナイ形、マス形などの表現が使われるし、形容詞、形容動詞もイ形容詞、ナ形容詞つまり「美しい」、「きれいな」いずれも形容詞とされるなど。

 

 そんな話の中で西島さんは、「この頃何だか日本語が変だ!」との嘆きにも触れた。我々もおかしいと思いながらも無意識に使っているかも知れないが。

遠くは清少納言も枕草子の中で、近くは内館牧子さんも「カネを積まれても使いたくない日本語」の中で、それぞれ日本語表現を嘆いている。それは例えば、

1.ラ抜き言葉―見れる、食べれる、来れる

2.サ入れ言葉―書かさせる

3.ベタベタした敬語―「〜させていただく」

4.「お疲れ様です」の乱発

5.平板なアクセントードラマ、ギター、彼氏など

   何故平板化するか?@高低をつけないことで省エネ化する

            A仲間や専門家の意識を顕示する

 

 西島さんは最後に、正しいとされる日本語の用法が少数派となり、やがて日本人の間では廃れてしまい、外国人にしか使われなくなるのではなかろうか?との危惧を披露して講義を終えた。